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学術論文

小動物臨床 2001; Vol.20 No.3: 197-206

免疫グロブリンGを含む濃縮乳清蛋白の犬・猫に対する有用性

本郷久仁治, 内野富弥, 中津賞, 中津憲子, 高橋徹, 島田健次郎

要旨

乳清蛋白(以下免疫ミルク)は牛の初乳から生成されたもので免疫グロブリンG(IgG),ラクトフェリンおよびリゾチームなどの機能活性因子を含み生理機能の調節、健康回復の機能を持つとされている。

今回,著者らの病院の外来患者に免疫ミルクを単味または併用剤を用いて,犬69頭,猫28頭に給与し、主に一般臨床症状を中心に効果測定を行なった。また、仔犬・仔猫の健康維持管理のために,仔犬3頭,仔猫11頭について,その有用性を検討した。

臨床試験には皮膚病,膿皮症,ケンネルコフ,腰麻痺,アカルス症,下痢症,猫口内炎症,猫カリシウイル感染症および猫ウイルス性鼻気管炎などを用いた。本剤の給与は一頭当たり0.1~2.0gを1日2回,最低4日,最高180日間経口的に給与した。

各種疾患の症状の改善度合によって効果測定を著効,有効,やや有効,無効,悪化および判定不能に分けて判定した。

  1. 犬・猫の合計97頭に免疫ミルクを給与したところ,著効38.1%,有効49.5%,やや有効10.3%および無効2.0%で改善率は著効と有効で87.6%であった。97頭の各疾病の中で高い改善率を示したのは犬・猫の下痢症,皮膚病および猫ウイルス性鼻気管炎等であった。
  2. 犬69頭に給与したところ、著効34.8%,有効52.2%,やや有効11.6%および無効1.0%で改善率は著効と有効とで87.0%であった。犬69頭の各疾病の中で高い改善率を示したのは下痢症,皮膚病および腰麻痺等であった。
  3. 猫28頭に給与したところ,著効46.4%,有効42.9%,やや有効7.4%および無効4.0%で改善率は著効と有効とで89.3%であった。猫28頭の各疾病の中で高い改善率を示したのは下痢症,猫ウイルス性鼻気管炎および猫口内炎等であった。
  4. 仔犬3頭,仔猫11頭に健康維持管理のため免疫ミルクを単味で給与した。全例に健康維持管理が十分に行える効果を得ることが出来た。
  5. 免疫ミルクを97頭に給与したところ、副作用は特に認められなかった。

以上のことから免疫ミルクを単味または併用剤との経口給与によって,各疾患に対して優れた効果を得ることができ,臨床応用上極めて,価値が高いと考えられる。